やりたい仕事に就けたのに、辛くて休職した話

 

あなたにはやりたい仕事はありますか?

 

今転職を考えている人も、これから就職する人も、会社員として働いている人も、一度は「やりたい仕事」について考えたことがあるかもしれませんね。

 

どうせやるなら、やりたいことをやって生きていきたい。つまらない仕事はやりたくない。

 

若い世代の欲ーー主に物欲だとか出世欲だとかーー少し前の世代の人が当たり前に持っていたものがなくなっている。とどこかで聞いたことがあります。

生きていく上で食べるものがないという不安も、高級な車とかに憧れる気持ちも徐々になくなり、若い世代は「体験を求める世代」なのだとか。

 

わかる、それな。って個人的には思っています。

明日の命が保証されない時代に生まれた訳でもなく、必死に働くことを刷り込まれた時代じゃない。それがそのまま執着のなさに繋がり、形のないものを追いかける風潮につながっているんだと感じます。

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お金があれば幸せ。食べることができれば幸せ。買うことができるから幸せ。

そんなわかりやすい尺度のある世の中ではなくなってきているんでしょうね。

 

そして、そんな風潮を受けて「やりたい仕事」への渇望も高まってきていると思っています。管理人自身も、そうやって「やりたい仕事」に手を伸ばした1人でした。

 

今回語りたいのは、そうやってやりたいことに手を伸ばした結果辿った、一人の人間の末路です。

 

 

 

 

私だって「やりたい」と思っていた仕事があった

管理人は、前職にいた時からWeb関連の仕事をやってみたいと思っていました。 

 

というより、最初は「この分野で食べていく」と決められるスキルを持ちたいと思っていました。その中で候補として上がっていたのが、Web系の仕事です。個人で趣味の範囲でやっていたブログの運営が楽しかったというきっかけがありました。

その時は「Webやりたいな〜、けどアフィリエイトやってると言えど、こんな未経験の状態で流石に無理でしょうな〜」みたいな、無理やろ前提。

候補というより願望に近い思いを持っていました。

 

同時期、いろいろあって新卒で入った会社を退職し、転職しました。

そこで働きはじめて数ヶ月目、紆余曲折あり完全な棚ぼたな形でWeb系の部署に配属されることになりました。

 

異動が決まった時は本当に嬉しかったんです。 

しかもやりたいと思っている仕事、ほぼ全部やらせてもらいましたからね。身に余る期待もされてたみたいだし。配属された当初は「ここで頑張ろう」って強く思ってたんです、本当に。

 

 

「やりたい仕事」が「やりたくない仕事」になった過程であったこと

ただ、仕事を進める中で「・・・ん?」と思うことが少しずつ出てきました。

 

その当時、管理人はコーポレートサイトのリニューアルに取り組んでいました。社長と直接会議を重ね、どんなサイトにするかを真剣に議論し、いろんな人の意見を聞きながら。このサイトに持たせるべき機能や、必要なページを洗い出し定義し、コーディングまで自分でやりました。

 

その中で外野の声がすごくうるさいって思ったんですよね。

 

上司はもちろん、それ以外の人間がしゃしゃり出てきて「こんなページダメに決まってるでしょふざけてんの?」みたいな感じのことをズケズケ言ってくる。

 

不足点を指摘されるのは別にいいんですよ。こちらの実力が足りていないことは承知の上だし。ただ、否定されるにしても根拠がなかった。ひどいものになると「鳥肌たったからやめて」みたいな感じ。

 

そんな人でも、たまに「こうした方がいい」的な前向きな意見を出してくれることもあるから、それを形にしてOKもらった上で社長のところに案として持って行ったら「こんなもん話にならん」と両断されること数回。

 

自分の咎じゃないことで怒られるのってしんどいんですよね。自分が作ったものは自分が責任持って、何言われても受け止められるんだけど「それってあいつが無理やりねじ込んだ案だし」って思ったらもう何も頭に入ってこないんです。

 

どうせ却下されるんなら自分の意見を持っていって却下されたいのに、それすら許されなかった訳です。自分の実力不足もあったんですけどね。

 

自分たちの原案を上司や外野によってダメを喰らい、修正してOKもらったやつを社長に持っていったらダメを喰らい、自分達で考えた案をその場で出したらOKもらうっていう。。 

 

チェック機関や承認機関が役割を果たしていない、それどころか、足を引っ張られまくった形ですかね。途中から周りの人間、みんな信用できなくなっていったし、苦労して掘った穴をひたすら埋めるような仕事の仕方しかできない環境に、頭がおかしくなるような気がしました。

 

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今の会社はいわゆる社長絶対服従の会社です。会社として収益を上げるような仕組みを考えることよりも、社長の思い描いているコンテンツを生み出すことをよしとされている風潮にある、そんな絶対王政な会社です。

 

コーポレートサイトなんてそれの最たるものだったんですよね。のっけから社長は「俺の考えを伝えるサイトにしろ」って言っていたわけです。それを上司たちも聞いていたわけなんです。

この企業風土の中で、上司たちも精一杯役割を全うしようと思っていたのかもしれません。けれど、結果的にそれは私には邪魔でしかなかったのです。

 

しかし、社長報告前には必ず上司を通さなければなりません。指摘され、覆る未来しか見えないコンテンツを上司のOKを通すために作り、社長からダメを喰らい、また作り直す。。そうしている中で着地点を失ってしまったんです。

・・・今世で、死んでから河原で石を積む子どもの気分を味わいました。

 

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そもそも「俺の考えを発信するサイトを作る」最初から無理があった要求でした。

いくら話を聞こうにも、社長の考えを発信することはできない。だって私は社長じゃない。自分のことを自分の声で発信することはできても、他人の考えをそのまま文字に起こすことはできない。それに毎回言ってること変わるし。でも人間だからブレるのは当然だし。

・・・管理人が行き詰まったのは、そんな「当たり前」の部分をなんとかしようと思ったからでした。

 

はじめは「・・・ん?」くらいの違和感だったのが

「・・・んんんんん????」

になり

「・・・・・・は????」

になり

「・・・・おいおいおいおい」

になり、最終的に

「やってられっか」になった感じですね。

 

よくないものが心に蓄積しているのは自分でもわかってはいたのですが、無理をして期待に応えようと足掻いた結果、ストレスで体と心を壊してしまったのです。

正解なんてないものを追い続け、様々な人の罵詈雑言を受け流し、提出する度に根拠なく否定される成果物。そして、休日も仕事に追われる日々にいい加減嫌気が差したのでしょう。

 

 

「やりたいこと」だと思い込んでいただけだった

やりたい仕事に就けたと思っていました。配属されたことは嬉しかったんです。

 

けれど、今。もうこの部署には1秒だっていられないと思っている自分がいます。実際そのままだったら死んでたんじゃないかって本気で思っています。

 

仕事に行こうとしても玄関からの一歩が踏み出せなくなって、足がすくんで動けなくなって。夜も眠れず、疲労ばかりが溜まり。もしかしたら、一生このままなんじゃないかって思うような不安に襲われて。

・・・まぁふつーに考えても、うつってやつでしょうね。病院行ってないけど。

 

自分でここまで追い込まれた原因がわからなかったんですよね。今までずっと。

上司は嫌いだし、周りの人も嫌いだったけど、それだけかって言われれば断言できないし。自身に実力がないことが原因だったのかもって思っても、それが全部だとも思えないし。なんでこうなったのか、何が辛かったのか、本当のところ、うまく説明できないままでした。

 

でも最近なんとなく「やりたい仕事=Web」っていう出発地点からちょっとズレていたんだろうなって思いはじめています。

 

こうやってブログを綴ることはできているのだから、Web全般が嫌になったわけではないです。そうなったらそもそもアナリティクスとか見るのも嫌になっていると思うんですが、むしろ休職してからめっちゃ見てるしw

 

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何が嫌だったって「誰かの考えをそのままなぞること」や「自分が自信を持てないものを発信しなければいけないこと」だったのかなって。

私は自分の価値感を大事にしたいんだって。自分を見失うことだけは嫌なんだって。

それが「自分が本当にやりたいと思っていること」だったんです。

 

わがままでしょう??w

 

多分「そんなこと言ってたら社会でやっていけない」的なツッコミ不可避だと思います。上司の言うことも、社長の言うことも聞きたくないって社会不適合もいいとこだよねーって。。

 

それでも、自分が納得できることしかやりたくないって気持ちは正直前からありました。

ずっと「しょーもない人間と一緒に仕事したくない」的な価値感は持っていましたが、今回「しょーもない人間」とたくさん仕事したことでその想いが肥大化した感じでしょうね。いい人も居たんだけど、それ以上に嫌な人間が多すぎた(疲)。

 

 

やりたいことって具体的だとは限らない。考えてもしっくりこない時は抽象的に考えてみて

何が言いたいかというと「やりたいことって、思ったより抽象的かもしれないよ?」ってことです。

 

管理人は、個人でやるブログとかサイトの運営が楽しくて、そこからWeb系の仕事がしたいって思うようになりました。でもそれは、一人で自由にやっていたっていう前提があったからそう感じたのです。

 

Webそのものではなくて、自分でサイトの現状を分析し、仮説を立て、検証を進めていくことに意義を見出していたなら、確かに「俺の考えを伝えるサイトを作れ」は「やりたい仕事」から外れるものです。

そんなもん知らんがな (´・ω・`) って今なら思いますからね。

 

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やりたい仕事に就くって難しいですね。 

自分が本当にやりたいことと、自分がやりたいと思い込んでいることって見分けられないと思うし。 

 

今回のことで管理人は「自分を抑圧するような環境はダメ」だということに気がつきました。わがままでこの上ないことは承知の上で、そしてセンスがないのも承知の上。

全部わかっているんです。それでも、自分がイマイチだと思っているコンテンツを出すことは嫌だし、自分がこれでイケると思ったコンテンツなら、反対を押し切ってでも進めたい。私は、私の本性は、そんな自分勝手な人間なんだって今回わかったような気がします。

 

あなたには今、やりたいと思っている仕事はありますか?

もしあるんなら、是非やってみてください。

それが本当にやりたいことか、わからない場合、ちょっと抽象的に考えてみてもいいかもしれません。今より納得できる答えに出会えるかもしれません。

 

そして、運よく「やりたいと思っていること」にありつけた人へ。

楽しいなら何よりです。でも、なんか違う感を抱いたり、大分無理している自覚があるならそれは「やりたいと思い込んでいたこと」かもしれません。本当に辛いなら、無理しないで。壊れるから。